【乙武問題愚考】言葉の暴力に正当防衛、ひいては過剰防衛は成立するか?

いまネットを中心に話題になっている乙武洋匡氏が銀座のイタリアンレストランで車椅子を理由に入店拒否された件。

乙武洋匡さん、銀座の「TRATTORIA GANZO」に「車椅子だから」と入店拒否される(追記あり)

やれ人権侵害だ、いや人権侵害じゃないただのサービスの問題だ、やれ建前で話をするな、店主のコミュニケーション問題だと、いろいろと議論百出している状況が続いています。

とりあえず今出ている論点はこの記事がわりとキレイにまとめてくれています。
乙武氏の問題がかまびすしいのでまとめた

僕も愚考するところがあったので書いておきます。

僕はこの件は、人権侵害という言葉を使うまでもなく、昨日公開された乙武さんのブログに書いてあったとおりだとしたら、同じように、いやもっとそれ以上に激高して憤ると思います。

いっぽうで、乙武さんという影響力の高い人が相手に対する攻撃を行った場合、乙武さん以外が同じような差別を被った場合とくらべて、比較にならないぐらい大きい批判とダメージを店側が受けることに、量刑ということ、ひいては罪と罰の本質とは?みたいなことに考えが至ってしまいます。

その銀座の店がろくでなしの店だったとして、ここまで指弾されるべきなのでしょうか?車椅子の人とレストランやお店に入ったという経験がないので想像でしかないのですが、今回の店主のものの言い方はさておき、こういうマインドのお店は日本全国まだまだ他にもけっこうあるんじゃないでしょうか。

こういう意見もありました。

「誰が悪いのか」を決めたがる人間は「三流」ですよ

当事者以外が今回の件を語るうえで、いっぽうを悪と断罪するのは書かれているとおり傲慢な視点なのでしょう。

けれども、当事者でもないのに正論振りかざして建設的な議論がどうのこうの言うのも、おためごかしっぽくて正直言って好きになれません。

むしろ今回のように、どちら側に立つかによって、こうまで相手側の非を非難しやすいトピックスも珍しいのではないでしょうか?

だからこうまでしてみな各自の持論を展開し、議論百出しているのだと思います。一種のリトマス試験紙のようなトピックスなのだと思います。

僕自身は、やはり乙武さんはベストセラー作家として広く知れ渡っている人間でもあり、スポーツジャーナリストで生計を立てているほどの文章力のある人が、あのような形で実名で公開することはヒドイんじゃないかと思ってしまいます。

結局、店の名前を出してしまったことで乙武さんは私刑をしたという構図になってしまった。

そして昨日公開された乙武さんのこのブログ。

イタリアン入店拒否について | 乙武洋匡オフィシャルサイト

このブログがあらためて公開されたことによって、正当防衛を通り過ごして過剰防衛の域に入ってしまったんじゃないかと危惧しています。

ボクシングでもダウンした後での攻撃はルール違反です。

このお店が現在、どういう状況かわかりませんが、潰れてしまうんじゃないかと心配です。

件のイタリアンレストランのFacebookページ

とりあえず、今回のことで思ったことをつらつらと書いてみました。

ソーシャル上での拡散について再考させられたのはもちろんですが、言葉や議論のうえでの攻撃がどこまでだったら妥当かということを考えてしまう出来事でした。

コメント

乙武氏の晒しあげの後
お店に対する誹謗中傷の電話とお店への予約の電話は
9:1くらいでしょう。
営業妨害の度をとっくに通り越しているのは
想像に難くありません。

しかし今後店が再反論する事があれば
今度こそ店は差別主義のレッテルを貼られ
完全に潰れることになります。

今後も営業を続ける場合は
恐らく障害者に対する何かしらかの
配慮的措置がなされるのでしょうが
それは本当の意味での
「バリアフリー」と呼べるのでしょうか?
私には決してそうは思えません。
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